ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 8(上) ウェイバーは自分の起源をどうするのか。

ラストエピソード上巻!

ロード・エルメロイⅡ世の生き様

個人的にこの作品の好きなところは、ロード・エルメロイⅡ世の生き様ですよね。
才能のない中で、この世界をどう生きるのか、ということがひとつのテーマになっていますよね。
その中で、葛藤がありつつも自分より才能のある弟子を育てていく姿がとても良くて。
個人的にそのへんはひとつの人生のテーマなので、非常に没入度が高いです。


それを含めて登場人物たちが自分の能力とそれに対してどう折り合いをつけて生きてくか、
というのが良く描かれている作品で、大変私の好みなのですよね。
私が好きな作品の特徴にある、出てくる人がだいたい好きな作品の部類です。

ウェイバー・ベルベットは自分の起源をどうするのか。

そして物語はついにラストエピソードで、最後の引きはまさに相応しいものでしたね。
エピソード7のアーサー王のところが伏線になっている構造をしていて、
すべてはここに持ってくるためだったか!とうなりましたね。
彼はもう一度イスカンダルに会うことに執着を抱いているため、
そのことに対してウェイバー・ベルベットはどうするのか。
その選択がラストエピソードで見られるということでとても楽しみです。


個人的には、イスカンダルの願いは彼の生き様を語り継ぐこと、であり、
今を捨ててまでイスカンダルに会う、という選択は取らないことをきれいにまとめてくれることを願っていますが果たして。
願わくば、りゅうおうのおしごと! 9巻で、ほんとうの意味で両親の死を乗り越えた天ちゃんのように、
イスカンダルの存在を乗り越えた上で生きていけるようになってほしいですね。
あるいはちょこっとだけ、イスカンダルから言葉をもらう姿が見れたらいいかなぁ。

DAYS 245th day ネタバレ感想 「加藤くんは俺史上最もカッコいい男だったかもしれない」「全く同感だよ」

DAYS(26) (講談社コミックス)

DAYS(26) (講談社コミックス)

ネタバレ全開注意。

いやいやいや、今週のDAYS、やべーっすよ、やべえっす。
語彙がなくなっているんですが、それぐらいヤバイです。
今週のDAYSは5周年の記念すべき日にすべて敵チームの加藤くんが持っていきました。
タイトルのセリフは水樹と臼井のやりとりですが、全読者同じ気持ちだったのではないでしょうか。


前半の水口監督と碇屋くんのやりとりにニヤニヤーっとしてしまって良きかな良きかな。
って感じでしたが、後半の加藤くんのかっこよさにびびりましたよね。
先週の感じですと、碇屋くんは監督と何らかあるんだろうなーという感じでしたが、
加藤くんはどこへ?と思っていましたが、まさかこう来るとは。


何がすごいって加藤くんの人徳がすごすぎるんですよね。
圧倒的な徳の高さ。
相手のロッカールームに現れる事自体あり得ないのに、
全員にかっこいいと思わせて去っていく姿が凄すぎる。
普通、あそこまで相手を持ち上げるっていうのは何らかしら裏がある、と思わせるはずなんですよ。
代表クラスで、プロに内定している人が「とても勉強になりましたぁ!!」って言うんですよ。
自分の株をあげてるためにやってんだろ?と反発を呼ぶ行為だと思うんです。
聖人君主的な人いないでしょ?って。
それをこれまでのピッチ内外の姿と言葉で、裏を一切感じさせない、これが加藤くんだ!って思わせる凄さですよ。


今までの積み重ねで、彼を彼たらしめることはありましたが、今回の話の中にもそれがつめこまれているのかなと。
裏を感じさせない、彼もまた人間なのである、ということを思わせる描写ですね。

ひとつはユニフォーム。
これは碇屋もそうなんでしょうけれど、彼らはユニフォームを脱ぎたくなかった。
ほんとの終わりになってしまうから…
そういうところで彼なりの悔しさを表している感じが非常に人間くさい。


もうひとつは最後のロッカールームからの去り際のセリフ。
あのまま、「そして おめでとう」で去ってしまうと、何というか上から目線じゃないですが、聖人君主的な印象が強すぎる。
そこで、「強かったぞぉ、聖蹟ぃ」、というセリフで去ることで、ああ、この人も悔しかったんだな、っていうことがすごい伝わると思うんですよね。
超人だけれど、やっぱ人だなぁって。
それで水樹と臼井のセリフに繋がるわけですよ。
「加藤くんは俺史上最もカッコいい男だったかもしれない」「全く同感だよ」
と。

リズと青い鳥 対等になりたかった

素晴らしい、素晴らしかった。

以下ネタバレ全開注意です。

リズと青い鳥

映像、音楽、物語の構成、どれも素晴らしかったですね。
素晴らしいなーって思ったのは、表題をものすごくうまく構成に組み込んでいるなーって。
最初はリズがみぞれで、青い鳥が希美、という役割で物語が描かれていましたが、
途中からその配役が逆であった、ということに気付く一連のシーンが素晴らしかった。
そこからの覚醒したみぞれの演奏シーンの素晴らしさと言ったら。
泣くわ、あんなん。
最後の進路も、いままでずっと希美に、二人が別々の道を選択するというまさに表題の通りの構成はほんと美しかった。
ちゃんと向き合って、お互いがお互いの気持ちをぶつけた結果でしたね。

対等になりかった

個人的には途中からリズの立場であった希美に感情移入してしまって、
ずっと涙ぐんでいました。
みんなのあこがれの的、キラキラしていた希美が
みぞれと対等になりたかった!!!という叫びはこころ揺さぶられますよね。
私はほぼあらゆることに才能が足りていなくて、ちょっとやればできちゃう人に対してとても憧れるし、
だからこそ対等になりたい、足かせになりたくない!っていうのは人生のテーマといってもいいくらいなので、
希の気持ちがもうめちゃくちゃ分かる!!!って感じなってしまいました。
あの覚醒後の演奏中の希美の表情とかさ、もう切なすぎて。
ほんと最後、ちゃんと向き合えて、しっかりとした意味で対等な関係になれてよかったなぁって…

青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない

第2部の開幕!
あ、祝アニメ化おめでとうございます!
まあするだろうな、とは思っていましたけれども。
客観的に物語の構成力はラノベの中でもかなり上のほうじゃないかなと思っていたので。
故に構成的には7巻までやりきってほしいので、2クールとかになるんですかね?
鴨志田先生自体は実績があるのでなくはないと思うのですが。

優しい世界

「やさしさにたどり着くために、私は今日を生きています。」
もうこの作品のテーマって、翔子さんが言っていたこのセリフに尽きると思うんですよね。
今回は花楓ちゃんの進路のお話でしたが、この軸に沿っていましたね。
大人として言うことはいう美和子先生。
花楓の意志を尊重して見守る咲太。
彼ら彼女らを支える麻衣さんたち。
ほんと素敵な関係性の人たちだなーって。
花楓もまた「かえで」の思いを受けて峰ヶ原高校を受ける意志があったというのがまた泣けますよね。
花楓と「かえで」に対する咲太の答えもまた素敵でした。
花楓があの高校を選ぶことで幸せになってほしいですね。


また青ブタのいいところって最終的にはすれ違わないこと、
決して悲劇にはならないことが良いんですよね。
7巻でも構造的に避けようのないところでしたが救ってくれましたし。
私はこのパッピーエンド感がとても好きですね。

最後の爆弾投下

今回は思春期症候群がほとんど出てこなかったなぁ、と思いましたが、
やっぱり最後に爆弾投げ込んできました。
鴨志田先生さすがですね。
麻衣さんの卒業に対するテコ入れでしょうけれども、
どのような展開を持ってくるのか楽しみですね。

閃の軌跡Ⅲ ミュゼいいよミュゼ。

英雄伝説 閃の軌跡III - PS4

英雄伝説 閃の軌跡III - PS4

発売から長らく放置していた閃の軌跡Ⅲをようやくクリアしました。
3章後半から実に軌跡っぽくなってきたのでよかったですねー。
立ち位置的にミュゼがお気に入り。

ちょうど続編のⅣが今年発売(何事も無ければいつもどおり9月かな)でしたので妙にタイミング良かったですね。
スパロボ始める前にクリアせねば、と思っていたのですが、笑

これぞ軌跡シリーズ!

3章のジョルジュ先輩の正体がわかったあたりはおお、実に軌跡っぽい感じだ!!!と勝手に盛り上がっていました。
そうコレだよコレ!という。
どういう壮大な計画になっているのかなーというワクワク感がたまりませんよね。
シリーズにおける厨二病要素の象徴でもある結社がだいぶ絡んできてくれてこちらとしては嬉しくて。
特に3章ではアリアンロード様も出てきてくれてテンションあがりましたね。
彼女の正体もだいぶ明言されてきましたが、彼女が盟主に忠誠を誓った経緯はまだ語られていないので気になりますね。


しかしジョルジュ先輩ですが、Ⅱまでは何も音沙汰がなく、眼鏡も掛けていなかったので私的にはノーマークでしたが。
クロウとジョルジュって、アンゼリカとトワ先輩が不憫すぎませんかね…
冷静に考えると、Wikiにありましたがジョルジュ・ノーム→G・ノーム→グノームと最高に分かりやすい名前でしたけれどね、笑
まあノームってRPGであんまり意味もなく入れんわな…
Ⅱでは地精との対立構造が明らかになっていなかった気がするので、Ⅲの前半部分で気づくべきことでしたね。
ただアンゼリカ自体は生きているでしょう、たぶん。
クロウだって死亡描写あったのに生き返るくらいだし、何ならレーヴェも3rdで以下略。


あ、なお裏切りといえば、某教授については最初から胡散臭さしかなかったので、出てきたときはやっぱり、でしたよね。
教授キャラはもう空の時点で信用されないんだよ!(軌跡シリーズファン共通認識)
ただアリサの父親ということは気が付かなったですね…
あのグエンとシュミット博士が博物館のところで引っかかっていたところで気づかなかった…
旧姓がたぶんどっかにあったのでしょうかね。

カレイジャス号ボカーン事件

オリビエエエエ!!!!って感じですが、まあ死ぬわけがないわなぁという感じではありますね。
さすがにオリビエをあーゆー感じで退場されたらヘイトたまりすぎてやばいでしょうからね。
アインさんがトヴァルのために殴り込む装置として、トヴァルあたりは犠牲になってもおかしくはない気もしますが!
個人的にはヴィクターがどうにか二人をかばって退場、オリビエとトヴァルは生き残る、みたいな形になるんじゃないかなーと予測していますが果たして。


いずれにせよ、このあっさり人が退場するのは、ヤクザ映画みたいな感じでない限りかなり珍しい気もするのでみんな生きてるんじゃないでしょうかねー。
オルフェンズとかあっさりバタバタ退場しますが、あれはヤクザ映画をオマージュしている、という話を聞いてなるほど、と思いましたよね。
基本的に現代の物語であれば、退場する人物は、残された人がちが動くための強烈な動機にならないと受け入れられてない気がするので。
その人物がいることで、物語が進まなくなる、エタるような感じになると退場になると思いますが。

ミュゼの一手は

今回、一番魅力的なキャラクタだったのは間違いなくミュゼでした。
ラストのところすら予測していたという話しじゃないですか。
オーレリア、ウォレス、ヴィータを従えるなんてとんでもねえ陣営ですよね。
あーゆー、そこの見えないかつマクロに準じているキャラクタはとてもとても好きなので、Ⅳでは主役級の活躍を期待しております。
主人公サイドの主陣営になるのか、それとも主人公サイドは別になるのか気になるところです。
その間で揺れ動くミュゼがとても見たいのでお願いしますよファルコムさん!

終わりの始まり

コレに関してはもう続きはよ!としか言えないですね…
個人的には前編後編であってもいったん物語は完結してほしいものですが。
とってもⅢのテーマは何か、というと大きな目的がよくわからんかった、というのがありますかねー。
空1stは情報部編、零は教団編とすると、Ⅲは何でしょうかね。
物語自体は内戦→他国との戦争、になっていますが、たぶん今回は共和国との戦争を防ぐ、ということになるのでしょうかね。
ただちょっと海戦しちゃいそうな気もしますが。

ラスダンの不満

終章のボス連チャン。
ここが何とも言えない微妙な感じに。
個人的にはもうちょい頑張れたのではないかと思うことろもあるのですが。
総じていうと、最強格のキャラがわりとあっさりめに足止め出来ていること、およびオズボーンサイドにつく動機が弱くないか、ということの2点ですね。


VSアリアンロード・マクバーン
ここなー。
ガイウスが一気に強キャラに覚醒したとは言え、物語の最強二人を並べて突破できる、というのは正直どうだったんだろうか。
まあ足止めだから良いのでしょうかね。
いやでもやっぱりそれでも何か手加減するような理由がほしかったなぁって。
本気であの二人に来られたらカシウスとアリオス、オーレリアを連れてこないとなーという感じがあったので。
あ、戦闘自体はサラではめ殺ししましたよ、もちろん。
でなくてもタイミング見計らって完全防御しかないですけどね。
ただいずれにせよ、「最強」がそれっぽくなかったのがちょっと残念ですね。


VSジークフリート、シャーリー、シャロン、ルドガ
ここも4人揃ってたら突破きつくねー?!っていう状況ですが、足止めと考えるとなくはないのかな。
ただどちらかというとシャロンが納得行かねーんですわ。
鉄血の子供たちはまだわからんでもないのですが、シャロンの戻る理由がよくわからなかったのですよね。
アルベリヒが戻ってくるまでがラインフォルト家との契約だった、ってことだけでしょうか。
契約が切れたので結社側に戻ります、ということなんでしょうかね。
それだけで結社側に戻るのかなー?という感じあるのでここがよくわからんかった。
いやシャロンさん好きなんで、こっち側にいてほしいんですよ僕は!!!


VS鉄血の子どもたち
最後はリィンたちと対立しましたが、それはわかるところでありましね。
彼らは「呪い」の被害者であり、オズボーンもその一人。
そのためその呪いから帝国を解き放つ、というオズボーンに手を貸す、というところでしょうか。
ミリアムについてはラストの展開を予期していたために、敵対をあえて選んだ感じがありますが。
ただ個人的にルーファスはミクロを気にしないような人なので、オズボーンサイドにつくのはわかるのですが、
レクターとクレアは結構ミクロ気にしちゃう人たちなので、明らかに戦争を起こそうとしているオズボーンサイドに従うのはちょっとどうなんでしょうか。
特にクレアは結構過去を乗り越えてきた感じもあると思うのですが、それでもはやり義理が勝るものなのでしょうかね。
いやクレアさんが好きなんで、こっち側にいてほしいんですよ僕は!!!(繰り返し)


何だかんだ書きましたが、3章終わりからは一気に進めたので楽しめました。
空~閃までの完結編であるⅣを楽しみにしています。

冴えない彼女の育てかた 完結記念雑感

さて、完結から2ヶ月以上経っていますが今さら投稿しますよ。
私がどういうふうに冴えカノが好きかを書いているだけです、笑

ペトロニウスさんの評論以上のことがひねり出せないので、私の好きなところを並べます!
あとご紹介したいののが、C93においてLandScape Plus様が出されていた「Memory of Saekano : How to raise a boring girlfriend」という完結記念合同誌の中で、
小菊菜様が「<ヒロイン>の命題」というコラムが凄かったです。
ヒロインと言う構造を解体したお話で、これがずばり「冴えカノ」を述べれていて凄かったです。
恵がメインヒロインとなる、ビルディングスロマンであり、
記号がないヒロインから、記号を獲得し、攻略不可能であったキャラクタを攻略可能なヒロインへする物語であると。
この「冴えない彼女の育てかた」というタイトルを保つ意味の構造を最も抑えた解釈だな、と個人的にすごく衝撃を受けました。
出会ったころの恵は攻略対象のヒロインではなく、それを攻略対象へと昇華する必要があると。
それを通した物語だったんだなーって。

影響を受けまくった参考文献
d.hatena.ne.jp
Memories of Saekano(LandScape Plus)の通販・購入はメロンブックス | メロンブックス
関西にゃんにゃん交流会/「冴えない結末の祝いかた」

対等なヒロイン

僕が冴えカノを好きな理由は作品を通して対等の関係であることをこだわり、
かつ何の因縁もない、何気ない日常の中で楽しく過ごせる胸がキュンキュンするヒロインを描いたことでした。
まあ圧倒的に恵がかわいいということです、笑


最初に、私は城平京先生原作の「スパイラル」がもうめちゃくちゃ好きで、
人生に結構影響を与えられてしまっている気がします。
その中で特に大好きなのが、歩とひよのを対等に描いていること、都合の良いヒロインとして書かれていないことですよね。
それは最後、握手で別れる場面が象徴しています。
あのあとひよのさんが涙流すのがマジでたまらなく良いです。


そういうわけで私は都合の良いヒロイン、依存の強い関係というのはひどく脆いものに思ってしまうのです。
どちらかが強く望んだら、そちらに引っ張られてしまって片方の意志がなくなってしまうような、自立のしていない関係がとにかく好きじゃない。
お互いが居なくても全然やっていけるんだけれど、それでも二人がいることですごい幸せになれる関係を見てみたいんですよ。


そして冴えカノはヒロインは主人公と対等であること、何気ない日常を楽しく過ごせる特別じゃない存在であることを主題としていると思っています。
丸戸先生は作中でも、BGM論のときに美智瑠に対して倫也を通じて理想のヒロイン像を語らせていますよね。
また恵が倫也を選択した理由にもなっていますね。
この作品はそういった対等な存在のヒロインとして恵を描ききったわけです。

倫也自身がクリエータになってさらにそれが強固なものになってしまった。
彼女らはクリエーターとして偉大すぎて倫也と対等になることができなかった。
詩羽先輩は最初から最後まで、羨望の人だった。
英梨々は庇護の対象から、覚醒後は、詩羽先輩と同じ、羨望の対象となってしまった。
それ故に彼女らは対等になれず、ヒロインには選ばれなかった、ということになりますよね。


であるから恵が唯一倫也が萎縮しない存在になった。
ゲーム作りにおいても倫也をきちんと叱ってあげる感じとか、何気なくフォローしてあげる様とかがとても好きなんですよね。
すごい倫也と対等なパートナーだよなぁって。
その恵との何気ないイチャイチャ描写が大好きなんですよ!!!
♭8話とはでわざわざ夫婦描写追加して最高だったじゃないですか。


あと英梨々が離れた理由でもありますが、クリエーターとして倫也と近すぎると、彼女らは倫也のためにやってしまうのですよね。
また倫也も彼女らが大切すぎて無茶をさせることができなかった。
彼と彼女らはそこ関係を脱することがついぞできなかった。
でも12巻では倫也は恵に対しては2回目の無茶をすることができた。
いや冷静に考えてクソ野郎なんですけど…笑
だからヒロインは恵なんですよね。
まあ性別が男でなければ倫也のヒロインは間違いなく伊織だと思うのですがね!

リエーターとしての幸せ

一方で私的には詩羽先輩と英梨々はラブコメのヒロインとしては破れましたけれど、
そっちのほうが今後の人生において絶対幸せだよねって思います。
いや倫也とくっついても泥沼で何がずぶずぶハマってクリエーターとしても大成しなさそうじゃないですか…
詩羽先輩は英梨々という戦友と、美智瑠というよくわからん、でもよい友人を手に入れることができました。
英梨々も詩羽先輩という戦友と、恵という初めて親友と呼べる存在ができました。
そしてクリエーターとしても成長することができる素晴らしい環境も手に入れました。
どう頑張ってもこっちのほうがいいだろこれ、笑


このへんは丸戸さんのクリエーター論も入っているのかなーって思っています。
14歳とイラストレーターの4巻でも述べられていましたが、
リエーターとして生きていくには普通の生活、普通の友達というものには中々縁がなくなってしまうものだと思うのですよね。
その代わりに戦友は手に入れることができるんですが。
自分のアイデンティティでもあるクリエーターとして生きていく覚悟はあるのか、とヒロインに問いている感じがします。


それをやっているのが10巻ですよね。
ここでは詩羽先輩は自覚的にヒロインの座を手放しています。
都合の良い女にはなれない、と。
この選択はすごく大好きなんですよね。
ヒロイン自身がヒロインの座よりも自分のクリエーターとしての矜持、自分自身のアイデンティティを選んだんですよ。
一度紅坂朱音によってアイデンティティ、倫也にとっての神様であることを破壊されたあげく、
そのアイデンティティを取り戻すのに、ヒロインの座を手放すということを選択させる丸戸先生は究極のドSな気がしますが。
いやマジでアイデンティティが強い人に対してアイデンティティを折りにいくのって殴り方としては最上位だと思うので。
そこできっちり復活する詩羽先輩はとてもかっこよかった。
倫也への依存度が高くなければ間違いなく手放しで好きなキャラです。


なお詩羽先輩はのほうは恵と合わない別世界線の恋メトにおいて、
倫也がプロデューサーとしての道を選択していますので、ここではヒロインになれるチャンスを残していますよね。
プロデューサーならばクリエーターと対等になれるので。
まあ倫也と真由も比較的対等な感じがあるので、すごく相性は抜群だと思うのですが。
こちらに関しては構造的にどちらが選ばれてもおかしくないような、どちらも選ばれなくてもおかしくない気がするので、
非常に丸戸さんらしく楽しみです。
いやまじで2月号はよ。


ちなみに英梨々はどうすればクリエーターとしても、ヒロインとしても幸せになれたんですかね。
小学校の時に間違ってしまったってマジで挽回のしようがないような。
ここも丸戸先生ひどすぎるなーって思いましたけれど、笑
6巻でマスターアップを選択したらなったんでしょうかねー?
その選択肢だとクリエーターとして成功する未来が見えなくてなぁ。
同人で幸せに、って感じでしょうか。


まあともあれ素晴らしいのは、ラブコメのヒロインとして敗れたとしても、
リエーターとしては非常に幸せな道を歩める未来が提示されている、ということだと思うのですよね。
ペトロニウスさんが述べられている、お仕事ものとの相性の良さを出した感じになります。
ヒロインだってヒロインレースに敗れて人生が終わりではないのです。

結びに

とまあツラツラと語りましたが、とにかくこの作品が好きなので、劇場版も待っています。
結論は恵がとにかくかわいい、以上です、笑
あとそれまでのつなぎも当然用意しているんですよね…?

魔法科高校の劣等生23巻 感想 物語の行く末は。

魔法科高校の劣等生(23) 孤立編 (電撃文庫)

魔法科高校の劣等生(23) 孤立編 (電撃文庫)

ついに物語がどどどーっと動いてきて、ちょー面白いっす。
達也のブラコンっぷりあたりのコメディパートも面白く、ラノベとしてとてもよい完成度をほこっているかなと。
今回は達也という英雄譚、人類同士の争いをなくすための収束点など、文脈としてもかなり動いた感じがあります。

達也という世界を滅ぼせる力

これは英雄譚に連なる物語が問いかけている課題ですよね。
人類にとって共通の敵が倒れたとき、勇者はどうするのか、と。
魔法科の世界では共通の敵、魔王的なものは初めからいないですね。
物語でも明確に述べられていて、風間中佐と佐伯少将の会話で触れられています。
また達也自身も八雲に直接述べられています。
というかそもそも深雪が、達也に対するセーフティー装置として生み出されていますからね。
この辺は「勇者のお師匠様」のレティとウィンの関係と同じようなものでしょうか。
そしてここが争いをなくすための収束点と見事に関わっていることに、なるほど、そうなるのか!と個人的にうなりましたね。

達也の思想と、世界(米ソ)の考えと物語の収束点

達也の最終目標は、魔法の非軍事利用により、魔法師を軍事システムのパーツから解放することです。
そのための方策は根本的な争いの原因、エネルギー問題を解決する、ということでした。
そして今回、米ソは「ディオーネープラン」によるテラフォーミングによって、世界総人口の限界問題について国家を超えた解決を図り、
その手段として魔法師を非軍事利用に用いるというものでした。


これは人類同士の争いをなくすためには、どうしたらよいのか、というところに対する収束点でありますよね。
結局のところ、争いが起きる原因というのは限りあるリソースの奪い合いなわけです。
人が生きるために対して必要な食料、それらを作り出す土地、運用する資源・エネルギー。
今回の場合は、テラフォーミング計画により、新たな土地と資源・エネルギーを得るわけです。
そのための解決手段として、魔法師を非軍事的利用にする、というのは達也の目的とも一見合致するように見えます。
ですが達也のプランの欠点としてあげられているのが、魔法師を経済的利用することによって辛うじて保っていた米ソとその他の小国の軍事バランスが崩れる、ということですね。
作中でも述べられているようにこの開発には非常に長いスパンが必要です。
するとその期間中は、完全にリソースの奪い合いを止められるわけでない、ということですね。
ここが達也が意識していなかった盲点であり、個人的になるほどー、って思いましたね。
この辺が難しいところで、単純に未来の開発を志したところで、目の前にある問題を見ていなければ、結局は頓挫してしまうということですね。


私がよく物語を読んでいると忘れがちになるのが、この辺の当事者感覚なんですよね。
どうしてもメタ視点、あるいは主人公サイド視点で物語を見てしまっているので、主人公たちが未来に向かって最良の結果が選択されるのが当然じゃないか、と思ってしまうのですが、
物語、というよりは現実はそうはいかないんですよね。
大衆というのはたいてい、明日のパンを求めて生きているものです。
未来を見れるのはある程度余裕がある人だけですね。
そして政治家というものはその大衆の意志を反映するものなので、彼らも同じところをみる。
しかし結局のところ明日のパンを求めるための選択肢を選ぶと、滅ぶという運命がわかっている。
されど明日のパンを求めなければ今すぐに死んでしまう可能性すらある。
そのときに直面したときに、どういう答えを出すか、ということですかね。
ほんとはこれウィブレがやっているんですが、いかんせん続刊が…
もうそろそろ3年たつから出してくれても良いのですが…


そしてこのこの時点では世界を滅ぼせる装置としての抑止力として動く覚悟を達也が決める記述がありましたが果たして。

深雪の決断

この巻では達也も覚悟を決めていましたが、深雪も決断しましたねー。
すべては達也のために、という。
今までは特に四葉の意向を気にして、なかなか踏ん切りがつきませんでしたが、今回、四葉からの「誓約」を外す、という大きな決断をしました。
もう孤立する達也を見れていられない、という思いがすべてのマクロ的なしがらみを吹き飛ばした形ですね。
すごいのは、作中で述べられていますが、深雪があんなにも願っていた、達也と結ばれるということを放棄する形になることなのかなと。
16巻では歓喜に打ち震えていましたが、それ以上に、達也のことを願う。
この、パートナーの幸せを願う形、いいですよねー。
はたらく魔王さま!でもそうでしたが、結局のところ決断のきっかけは身近な誰かのため、ということはひとつの答えなんでしょうね。
そこに至るまでの決断をいかに描くかが物語の面白さだと思いますが。


なお個人的に気になるのは、達也のパートナー問題ですかね。
マクロ的な立場を放棄したことにより、少なくとも伴侶的な立場は微妙になりましたからね。
といってもパートナーというところは深雪で揺るがない気がしますが、笑

VS十文字先輩

以前のあとがきで、現時点で作中最強と称されていた十文字先輩との対決がありましたねー。
いやまあVS十文字先輩用に開発したバリオンランスのおかげでわりとあっさりでしたが。
16巻で読んだときはバリオンランスがVS十文字先輩になるのかがよくわからなかったのですが、今回はよくわかりましたね。
通常の分解では次から次へとランダムに障壁が展開されるため、分解の対象が特定できないが、
中性子を防ぐバリアはただ一つであり、それならば達也の分解能力で分解できる、という理屈でしたね。
それをFTA理論?でしたっけ、で中性子線を打ち出す技術を実現したと。
ここに来て達也の、力的なTUEEE感が増してますね。
逆にメンタルが女性に揺さぶられているのが面白いですね、笑

ラスボスと物語の決着と。

最終的な物語の決着はどこに向かうのでしょうかね。
孤立編からエスケープ編へと続き、反撃となるのでしょうか。
立場としては地球にとどまり、世界の抑止力となることなんでしょうかねー。
じゃあそれを一体誰が制御するの?という問題があるわけですが。

そしてあとがきではラスボス、と言われていますが、レイモンドとあとは光宣あたりでしょうかね。
この二人は手を組みそうな気がしますが。
あと周公瑾は退場していない気もするので、このへんがあとどう絡んでくるかですかね。
父親のほうが前座ですっ飛ばされそうな予感があります、笑

魔法科高校の意味、そしてリーナの選択は。

わかっていた展開ではありますが、中盤のレオの達也に対する擁護、そしてラストの集結シーンはこれまでの積み重ねがついに実った!というシーンで目頭が熱くなりましたね。
あくまでも学園モノ、というジャンルである以上、やはりこの展開はすごく必要で、良いものですよね。
学生時代の友人というのは、生活に関わる大きな利害関係の絡まないものなので、こうして孤立していく中でも助けになれるということですよね。
ちなみに最後まで達也のことを慮っていた真由美さんは七草のほうにやはり行ってしまいそうなので、個人的にはとても悲しい…
真由美さん、マクロを乗り越えてくれ!


そしてメンタル的にはポンコツ、というよりは歳相応だけれど、実力は作中最強クラスのリーナがどういう選択をするのか、というのも大きいですよね。
これも達也が積み重ねてきた関係のひとつで、ここがどう転ぶか。
まあリーナは達也サイドに転びそうな感じがしますが、笑
戦記ものではマクロな立場に遵守して、己の心を殺す、ということは少なくありませんが、リーナの場合、そこまでマクロな立場を遵守する理由もない気がしますからね。
ただその場合は世界(米ソ)を敵に回すわけですが…
果たしてリーナは合流して、その立場を築くことができるのでしょうか。

その他

物語の整合性をとるために女装で登場した文弥くんですが、そのときの達也がかっこよすぎて、これアーッ!展開を想像させるに十分な材料なのではないかと思ってしまいました。
今回で少なくとも1vs1の戦闘では、作中最強だった十文字先輩越えましたから、説得力がありすぎますし。
あとその後の深雪の干渉力の強さも半端なかったですねー。
達也と深雪コンビだったらほんとに割とあっさり世界を滅ぼせそう。


あとメイド根性丸出しの水波ちゃん、いいキャラしてますよねー。
達也ですら顔を伺うという…笑
というか、わりと達也は周りの女性に対して弱い気がしますが。


今回、挿絵がすごくよかったです。
深雪の泣き顔、テレ顔、級友の姿など、タイミングもバッチリでしたねー。