- 作者: 三丘洋,こずみっく
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/エンターブレイン
- 発売日: 2015/11/30
- メディア: 単行本
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で、勇者のお師匠様、ちょー面白いっす。
というか1年ぐらい放置していて、この間ようやく80話ぐらいから続きを読んだんですが、何で放置していたんだろう、というレベルで面白いです。
面白さのポイントとしてはペトロニウスの記事を読めばわかるので、そちらを読んでいただければ、もうものすごく面白いと思います。
世界を救ったあとの英雄の扱いは
「勇者のお師匠様」のメインテーマは「魔王を倒したあとの英雄のその後」ですよね。
世界の共通の敵がいなくなったあとの、英雄と呼ばれる存在は世界ではとても扱いにくいものになります。
こんなこと書いておいてアレですが、史実を私は詳しくはないんですが、史実もそのようになっているようですね。
下記の素敵なツイートがとても端的に表わしているので貼り付けておきます。
なんだかこういうことあるよね。って話を描いたよ。 pic.twitter.com/g8FParaDHs
— 猫頭巾 (@nekozukin9) 2016, 2月 19
はたらく魔王さま!においては、英雄の力を必要としない、異世界である地球に行くということでこの問題の解決を図っています。
図っているというか、「日常」はとても素敵なものだよね!ということが描かれている感じでしょうかね。
本来ならば、勇者と呼ばれる存在はこういった日常を送ることは叶わないわけですよね。
そしてその日常を確保できているのにわざわざ世界を救う理由なんてないよね、というのが今の流れですね。
対して「勇者のお師匠様」はこの問題に対して真っ向から立ち向かう物語になっています。
勇者と呼ばれる存在が世界を救ったあとの世界でどう幸せになれるか、ということですね。
特にWeb版3部以降はここのところが様々な視点から語られています。
ウィンがいなきゃ、レティは上のツイートにあるように、処刑なり暗殺なりされてしまうはずで。
ですが政治家がコントロールできる(=特別な力を持たないあ)ウィン、という勇者のコントロール装置がいるからこそ、利用できる可能性があり、処刑されない、という構造が本当に見事ですよね。
そしてウィンとレティは世界に対して居場所確保することができるのか、というのが物語の軸になっていますよねー。
レティはウィンといるだけでもそれはもう幸せなので、結構救済があるんですよ
英雄が隠居やBADENDではなくて、市井の中で暮らせる物語を描き切ることができたら、とてもすごい物語なんじゃないかなぁと思います。