ゆるりわんわんお

2019年以降は主ににじさんじのおすすめ配信を記録しています。

アオアシ 成長における「気づき」の過程がめちゃくちゃ丁寧な物語

友人から進められてアオアシ読んだんですが、これ、ちゃくちゃ面白いですね。
私が一番面白いと思ったポイントは、「気付き」の過程がめちゃくちゃ丁寧に描かれていることですね。
成長譚であることはそうなんですが、その中でも成長していく過程がスポーツに対しての理想形だなと思いました。
選手自身が監督、チームメートの力を借りながらも、
自分自身で課題に気がついていくところがめちゃくちゃ丁寧に描かれているところですね。
海燕さんが「弱い自分を乗り越えていく」ことを成長、と仰っていましたが、まさにこれだなぁと。
この「弱い自分に気づく」というところを徹底的に描いています。


ちょっと外れているかもしれませんが、ベイビーステップはもともと強烈に内発性を持ったえーちゃんがスポーツをやったらどうなるのか?
という感じに対して、アオアシは選手の内発性をどううまく刺激して成長につなげていくか、という形でしょうか?


私は自分で自分の弱さ=課題を認識しないと本当の意味で成長しないと思っています。
この「アオアシ」というものは、そこにめちゃくちゃこだわりを感じる作品です。
武蔵野戦でのハーフタイムの望コーチの
”「戦うのは選手だ…選手がフィールドで気づき、話し合い、自分で解決することが理想なんだ。我々は手ほどきをするだけ。それがこの育成…ユースという場所なんだ”
というセリフはまさに理想ですよね。
ただ理想なので実際にはコーチがどこかで後押しをしてあげなきゃいけないわけで、それがまた絶妙に描かれています。
最新の16巻何かはまさにそうで、監督は試合前にアドバイスをしてもうまくいかないとわかっていて、我慢して我慢してハーフタイムで、ここぞというときにアドバイスを送るプロセスが描かれていました。
そうすることでチーム全体として血肉となり、チーム全体が成長することができる。


この辺のプロセスを抜くと、フィジカル的に素晴らしい才能を持っていても伸び悩んでしまうケースがすごく出てくると思っているんですよ。
特にキレで勝負している前目の選手なんかは特に…
直感とフィジカルでやっていたけれども、動きとかも研究されてきてしまい、
壁にぶつかったときに自分で考えることができなくなってしまって、課題を解決することができなくなる。
また作中で言っていた個人戦術を身に着けられず、状況に応じて最適な動きもできなくなる。
それで消えていってしまった才能なんてのはスポーツをおかけている人ならばたくさん目にするはず…
だからなるべくほんと選手自身に考えさせるのが理想なんですよね…
最高峰のユースを舞台にした物語なのですんなり行っているんですが、確実にそこは目指すべき理想の形だと思うんですよ。


また蛇足ですが、スポーツは最終的には五感を通した反応反射の世界となります。
考えて考えて、考えないでもできるようにするのが練習の目的です。
試合中は考えてからじゃ遅いからですね。
そこのところもこの作品非常に丁寧に書かれていて、めっちゃ良いなぁと思いました。


アオアシは、どう成長したらよいのか、という過程がとてもよく描かれています。
なのでスポーツをやっている人、教えている人にとっても非常によい教科書だと思うので、ぜひともおすすめです。
こういう小難しいこと抜きにしても単純に漫画として心理描写がありつつもサッカー自体がダイナミックに描かれていて引き込まれると思いますのでぜひぜひ。