冴えない彼女の育てかた 完結記念雑感

さて、完結から2ヶ月以上経っていますが今さら投稿しますよ。
私がどういうふうに冴えカノが好きかを書いているだけです、笑

ペトロニウスさんの評論以上のことがひねり出せないので、私の好きなところを並べます!
あとご紹介したいののが、C93においてLandScape Plus様が出されていた「Memory of Saekano : How to raise a boring girlfriend」という完結記念合同誌の中で、
小菊菜様が「<ヒロイン>の命題」というコラムが凄かったです。
ヒロインと言う構造を解体したお話で、これがずばり「冴えカノ」を述べれていて凄かったです。
恵がメインヒロインとなる、ビルディングスロマンであり、
記号がないヒロインから、記号を獲得し、攻略不可能であったキャラクタを攻略可能なヒロインへする物語であると。
この「冴えない彼女の育てかた」というタイトルを保つ意味の構造を最も抑えた解釈だな、と個人的にすごく衝撃を受けました。
出会ったころの恵は攻略対象のヒロインではなく、それを攻略対象へと昇華する必要があると。
それを通した物語だったんだなーって。

影響を受けまくった参考文献
d.hatena.ne.jp
Memories of Saekano(LandScape Plus)の通販・購入はメロンブックス | メロンブックス
関西にゃんにゃん交流会/「冴えない結末の祝いかた」

対等なヒロイン

僕が冴えカノを好きな理由は作品を通して対等の関係であることをこだわり、
かつ何の因縁もない、何気ない日常の中で楽しく過ごせる胸がキュンキュンするヒロインを描いたことでした。
まあ圧倒的に恵がかわいいということです、笑


最初に、私は城平京先生原作の「スパイラル」がもうめちゃくちゃ好きで、
人生に結構影響を与えられてしまっている気がします。
その中で特に大好きなのが、歩とひよのを対等に描いていること、都合の良いヒロインとして書かれていないことですよね。
それは最後、握手で別れる場面が象徴しています。
あのあとひよのさんが涙流すのがマジでたまらなく良いです。


そういうわけで私は都合の良いヒロイン、依存の強い関係というのはひどく脆いものに思ってしまうのです。
どちらかが強く望んだら、そちらに引っ張られてしまって片方の意志がなくなってしまうような、自立のしていない関係がとにかく好きじゃない。
お互いが居なくても全然やっていけるんだけれど、それでも二人がいることですごい幸せになれる関係を見てみたいんですよ。


そして冴えカノはヒロインは主人公と対等であること、何気ない日常を楽しく過ごせる特別じゃない存在であることを主題としていると思っています。
丸戸先生は作中でも、BGM論のときに美智瑠に対して倫也を通じて理想のヒロイン像を語らせていますよね。
また恵が倫也を選択した理由にもなっていますね。
この作品はそういった対等な存在のヒロインとして恵を描ききったわけです。

倫也自身がクリエータになってさらにそれが強固なものになってしまった。
彼女らはクリエーターとして偉大すぎて倫也と対等になることができなかった。
詩羽先輩は最初から最後まで、羨望の人だった。
英梨々は庇護の対象から、覚醒後は、詩羽先輩と同じ、羨望の対象となってしまった。
それ故に彼女らは対等になれず、ヒロインには選ばれなかった、ということになりますよね。


であるから恵が唯一倫也が萎縮しない存在になった。
ゲーム作りにおいても倫也をきちんと叱ってあげる感じとか、何気なくフォローしてあげる様とかがとても好きなんですよね。
すごい倫也と対等なパートナーだよなぁって。
その恵との何気ないイチャイチャ描写が大好きなんですよ!!!
♭8話とはでわざわざ夫婦描写追加して最高だったじゃないですか。


あと英梨々が離れた理由でもありますが、クリエーターとして倫也と近すぎると、彼女らは倫也のためにやってしまうのですよね。
また倫也も彼女らが大切すぎて無茶をさせることができなかった。
彼と彼女らはそこ関係を脱することがついぞできなかった。
でも12巻では倫也は恵に対しては2回目の無茶をすることができた。
いや冷静に考えてクソ野郎なんですけど…笑
だからヒロインは恵なんですよね。
まあ性別が男でなければ倫也のヒロインは間違いなく伊織だと思うのですがね!

リエーターとしての幸せ

一方で私的には詩羽先輩と英梨々はラブコメのヒロインとしては破れましたけれど、
そっちのほうが今後の人生において絶対幸せだよねって思います。
いや倫也とくっついても泥沼で何がずぶずぶハマってクリエーターとしても大成しなさそうじゃないですか…
詩羽先輩は英梨々という戦友と、美智瑠というよくわからん、でもよい友人を手に入れることができました。
英梨々も詩羽先輩という戦友と、恵という初めて親友と呼べる存在ができました。
そしてクリエーターとしても成長することができる素晴らしい環境も手に入れました。
どう頑張ってもこっちのほうがいいだろこれ、笑


このへんは丸戸さんのクリエーター論も入っているのかなーって思っています。
14歳とイラストレーターの4巻でも述べられていましたが、
リエーターとして生きていくには普通の生活、普通の友達というものには中々縁がなくなってしまうものだと思うのですよね。
その代わりに戦友は手に入れることができるんですが。
自分のアイデンティティでもあるクリエーターとして生きていく覚悟はあるのか、とヒロインに問いている感じがします。


それをやっているのが10巻ですよね。
ここでは詩羽先輩は自覚的にヒロインの座を手放しています。
都合の良い女にはなれない、と。
この選択はすごく大好きなんですよね。
ヒロイン自身がヒロインの座よりも自分のクリエーターとしての矜持、自分自身のアイデンティティを選んだんですよ。
一度紅坂朱音によってアイデンティティ、倫也にとっての神様であることを破壊されたあげく、
そのアイデンティティを取り戻すのに、ヒロインの座を手放すということを選択させる丸戸先生は究極のドSな気がしますが。
いやマジでアイデンティティが強い人に対してアイデンティティを折りにいくのって殴り方としては最上位だと思うので。
そこできっちり復活する詩羽先輩はとてもかっこよかった。
倫也への依存度が高くなければ間違いなく手放しで好きなキャラです。


なお詩羽先輩はのほうは恵と合わない別世界線の恋メトにおいて、
倫也がプロデューサーとしての道を選択していますので、ここではヒロインになれるチャンスを残していますよね。
プロデューサーならばクリエーターと対等になれるので。
まあ倫也と真由も比較的対等な感じがあるので、すごく相性は抜群だと思うのですが。
こちらに関しては構造的にどちらが選ばれてもおかしくないような、どちらも選ばれなくてもおかしくない気がするので、
非常に丸戸さんらしく楽しみです。
いやまじで2月号はよ。


ちなみに英梨々はどうすればクリエーターとしても、ヒロインとしても幸せになれたんですかね。
小学校の時に間違ってしまったってマジで挽回のしようがないような。
ここも丸戸先生ひどすぎるなーって思いましたけれど、笑
6巻でマスターアップを選択したらなったんでしょうかねー?
その選択肢だとクリエーターとして成功する未来が見えなくてなぁ。
同人で幸せに、って感じでしょうか。


まあともあれ素晴らしいのは、ラブコメのヒロインとして敗れたとしても、
リエーターとしては非常に幸せな道を歩める未来が提示されている、ということだと思うのですよね。
ペトロニウスさんが述べられている、お仕事ものとの相性の良さを出した感じになります。
ヒロインだってヒロインレースに敗れて人生が終わりではないのです。

結びに

とまあツラツラと語りましたが、とにかくこの作品が好きなので、劇場版も待っています。
結論は恵がとにかくかわいい、以上です、笑
あとそれまでのつなぎも当然用意しているんですよね…?