ゆるりわんわんお

2019年以降は主ににじさんじのおすすめ配信を記録しています。

Re:ゼロから始める異世界生活9  言うは易く行うは難し

アニメお疲れ様でした。
といいつつアニメ録ってあるけど見ていないのですが…
記事書いてて、アニメ見ていないのにこの記事書くのはとてもとても失礼以外の何物でもないのだけれど、時期逃していしまうとアレだから許してくださいいいい!
ちゃんと時間とって見ます!

この記事の結論としては、言うは易く行うは難し、です。
実際にやり遂げた方々に敬服するばかりです。

出版社の本気-クセのある作品の売り方

今回の一連のアニメの2クールを駆使した3章までのアニメかと、この9巻を出すタイミングを含めて、出版社が本気でやるというのはどういうことか、というのを見せてくれた感じがありますね。
リゼロの作品としての熱量はもう疑いもないもので、Web版からの読者の方含めて、「ゼロから」で完全に虜になってしまったはずですよね。
一方で主人公のスバルはとてもクセのあるキャラクタで、取り立てて商業化においてこの三章までたどり着くことができるかどうか、ということがこの作品の最大の問題点であったことも、作者の猫さん含めて全員が共有していた問題であったと思います。
人気がでないと例え出版社大賞を取った作品でも打ち切りですからね。
例えば〇ングラとかリ〇グラとかリン〇ラとかリング〇とか(以下出版社への恨みつらみになるので略)
ど素人の私はこの作品の商業化なんか無理じゃね、という思いでした。
それを成し遂げた作者様、出版社、アニメ関係者様あるいは3章前から面白い、アニメ化いける!といっていた物語三昧のペトロニウスさんの審美眼にただただ敬服し、各人にジャンピング土下座する次第であります。
【TVアニメ化決定】「Re:ゼロから始める異世界生活」特報 − おめでとうございます!! - 物語三昧〜できればより深く物語を楽しむために


アニメを一気に三章までやってしまうという戦略、作品の熱量と作品への信頼感

Q:アニメでユーザを三章までたどり着かせるにはどうすればいいか。
A:三章まで一気に2クールでやんぞ!


という、文字で書けば非常に簡単なことを成し遂げるのってほんとめちゃくちゃ大変なことだと思うんですよ。
俺が意思決定者だったらそんなリスキーなこと、なかなかGOなんか出せないと思うんですよ。
作家のデビュー作の作品を2クールでアニメ化ですよ?
いくらWebである程度PVが見込めている作品で、書籍も売れているからといって、アニメ化で成功するかはまた別問題ですし。
なので企画にかかわった人全員が、リゼロという作品の熱量を信じて、絶対成功させてやろう!!!という気概を持って成し遂げたことだと思います。
いや気概、なんて言葉を使うと非常にチープな感じになってしまうのですが、それ以外に表現が思いつきません。
関係者一同をその気にさせたリゼロという作品の熱量と、実際に様々な制約のある中で成し遂げたスタッフさんたちがただただすごいです。


具体的なアクションでは、アニメは見ていないので、魅せ方自体は触れませんし、見ててもわからんと思うのですが、三章までいかに辿り着かせるか、ということを元にくっそ頭をひねったはずです。
あの量を24話?に圧縮して面白くするのってクッソ難しい以外の何物でもないはずです。
現にリング〇は書籍ですら圧縮に失敗してWeb版の良さが完全に死んで、信者の私ですら???っていう感じでしたからね…


あるいは担当者の方は、専用アカウントを作って、書籍化のときからめちゃくちゃ宣伝に力を入れていました。
Web版である程度中身が保障されていれば、あとはどう売るか、という部分がキモであり、編集・出版の存在意義でもあることを十全にまっとうしている形でした。
大日本サムライガール」でアイドルの売り方の要素として、事務所のごり押しというのは最も大事な要素の一つだ!ということを言っていたことを体現していました。
(すみません、正確な発言は思い出せないし、調べるのがめんどいので許してね!)

大日本サムライガール 9 (星海社FICTIONS)

大日本サムライガール 9 (星海社FICTIONS)

ユーザにトラウマを植え付ける

そう、3章の断章というなのトラウマを。
初めて読んだ時の動揺はすさまじかったですからね。


特に風当たりがなんか強そうなこの昨今、どこでこの断章が来るのか、と待っていましたが、そうか、アニメの終わったタイミングか、と。
これに関してはドS30禁作家の丸戸先生のお言葉をお借りします。

『気づいた頃には抜けられなくなっているはずよ……霞詩子の、魔力から』

『つまらないから粗が目に付く。望まない物語に拒絶反応が出る。
けれど面白ければ、それは麻薬のように、人の心を侵していく……
なくては生きていけなくなる』

『ユーザーに、一生消えないトラウマを植え付けてやるわ……』

P.202/217 冴えない彼女の育てかた(10)/丸戸史明 著

もうこれですよね。
スバルの性格がうざかろうが、物語のテンポが悪かろうが、あるいはヒロインを退場させようが、もう虜にしてしまえば、作品の勝ちだ!というところです。
何よりすごいなーと思うのは、言うは易く行うは難し、で、商業でしっかりコントロールしきったことですよね。
締め切りなど様々な制約があるなかで、しっかりと出すタイミングを戦略的に見計らって、アニメでユーザを虜にして、そのあと満を持してこの9巻を出し、ユーザにトラウマを植え付ける、という流れを。
真の意味での拒絶反応が出たかどうかは、このあとの10巻の売上と円盤の売れ行き次第(円盤が売れるというのは、円盤を買いたくなるアニメかどうか、という要素も絡んでくるのでちょっと別なんですが)なんですが。
またちゃんとやってんなー、っていうのがしっかりと10巻を2か月連続で刊行することですよね。
こうすることによってユーザを離さない、という基本中の基本でありながら、制約の中でそれをしっかりと行っているということに感服いたします。
ある種、Web版という土台があるからなせる技でもあるかなと思いますが。


できれば熱量のあるWeb小説を売っっていくためにはこうしたらいいんだ!というテンプレート・成功例になってほしいなぁという思いです。
(拳を握ってO社方面を見ながら)
もちろん制約上厳しいことも多々あると思いますが、リゼロが成功したんだから、いける!、少しでもこの形に近づけたら、ということろですよね。