ゆるりわんわんお

2019年以降は主ににじさんじのおすすめ配信を記録しています。

物語における男女の関係性は対等な関係がいい

これはもう完全な私の個人的趣味なんですが、物語における男女の関係って「対等」であってほしいと思っているのですよね。
言い換えるとパートナーといいますか。
どちらが一方的に寄りかかったり、あるいは羨望の対象でしかなかったりではなく、持ちつ持たれつの関係です。

これは詳しくはペトロニウスさんの下記の記事に完全同意なんで、ここでは僕の好きな作品2つの具体例を見ていこうかなと。
ひとつは冴えない彼女でかぶっているけれど、9巻の内容に触れるということでどうかひとつ…
d.hatena.ne.jp


そもそもなんでこういう風に思っているか、とぼちぼち考えているわけですが、
やっぱり対等な関係に近いものじゃないと、いつか崩壊してしまうんじゃないかなぁ、
というふうにどこか思ってしまうところがあるんですよね。
あるいは何らかしらの負い目があったりすると、それってほんとに好きなの?、って思ってしまう。
何もなくても、自然に、となりにいて楽しい!と思える関係がいいなぁと思うわけですよ。

なおリアルではたぶんそれだとうまくいくことはほとんどないとも思っているので、余計物語に求める側面があります。
ペトロニウスさんのいうように、フォロー、フォローワーじゃないと現実的ではないのかなぁと。
私の例でいくと、私はわりと劣等感の持ち主なので、自分と対等っていうか同等な人を好きになるのことはあまりないので…

「スパイラル」の歩とひよのの関係

さて最初の作品は、私のこの辺の原点ともなっているであろう、スパイラルの歩とひよのの関係性です。
これは私が小中学校という思春期真っ盛りに読んでいた作品なので、かなり人格形成に影響していると思われます、笑

くっそネタバレになってしまうのですが、城平先生があとがぎで以下のように語っています。

もしあの真実なしに歩が清隆に勝ち、ひよののもとに戻ったとして、そこに生じる二人の関係は、ひよのの無条件の信頼と好意によりかかった、歩にとって都合が良すぎて実はずいぶん脆いものではないのでしょうか。それはひよのにとって幸せでしょうか。
作:城平京 画:水野英多 「スパイラル~推理の絆~」15巻原作者あとがき より

これぞまさに、という感じですよね。
あのままひよのが真実を隠していても、ひよのには負い目が出来て、歩もたぶんそれに気づいているんだけど、それには触れられなくて、
とてもギクシャクする関係が出来てしまったのかなぁと思います。
そのうえ歩に寿命が来てしまってひよのが取り残された日には、
ひよのは一生歩に縛られた人生を送ってしまうんじゃないかなとも。
それってひよのにとってはBADEND以外の何者でもないですよね、っていう。


じゃああの関係性になったから、どうだ、というとまた難しいんですが、
あの先、歩が寿命を全うしても、ひよのは悪い意味で縛られることなく、前に進んでいけると思うんですよね。
あるいは歩が長生きできたら4コマにあったような名ビジネスパートナーとしてやっていけると思います、笑
歩がひよのと一緒に入れない理由を語っていましたが、
ほんとただ隣にいるだけでそれとなく幸せになれる関係になったのかなと。


ほんとそういった意味で、スパイラルはとても美しく関係性が描かれていて、思い出補正が多分にあるとは思いますが、
とてもとても素晴らしいと思うわけです。


あと書いてて思ったけど、これノベルゲーでやってたら最後のところでBADEND分岐が成立するんじゃないか。
イヤリングを渡す渡さないあたりで。
それはそれで心が痛いけどクッソ面白そうではあるな!


あ、最近、城平先生と水野先生のコンビが復活したので、合わせてどうぞ。

冴えカノの目指すべき姿は

私が冴えない彼女の育てかたが大好きな理由のひとつに、このへんの関係性がとてもうまく描かれていて、
なおかつ丸戸先生の持って行こうとしている方向性と自分の好みが一致しているということですよね、笑


9巻で倫也が美智留に対して、熱く語っている場面があります。

 そう生死の境や、世界の激動の間で感じるキャラクターの魅力は、その瞬間の現象と不可分だ。
 つまり、その瞬間に感じている彼女の魅力は、実は『今から死ぬのが可哀想なだけ』だったり、『大逆転勝利の感動に酔っているだけ』なのかもしれない。
「だからこそ、退屈なシーンで感じられる“可愛い”こそが、混じりっ気のない、真の可愛さだということが言えるんだと思うんだがどうだろう美智瑠!?」
著:丸戸史明冴えない彼女の育てかた」9巻 より

そう、これ、これなんだよ、笑
主人公が対等な関係じゃないと、いわゆる吊り橋効果に近いことに陥ってしまうと思うのですよね。
そこに寄りかかってしまうと、ふとしたときに冷めてしまったり崩れてしまう可能性がある。


丸戸先生は、冴えない彼女の育てかたにおいて、各ヒロインのポジションを、
恵はパートナー、英梨々は庇護欲の対象、詩羽先輩は羨望の対象、として描かれていると思うのですよね。
だから英梨々も詩羽先輩も大事してしまって一歩が踏み出せなく、対等になれない。
一方で恵には遠慮なく言うことができるし、なおかつツーカーでわかりあっちゃう。
そして日常の何気ない会話がイチャイチャしててとても楽しい。
このシーン、倫也は自分で言っていてもう完全に恵派を白状しているようなものじゃねえか!とか思いましたよ、笑


だから僕は恵派なのです。
正直キャラの好みでいくと、詩羽先輩が好きなところもあるですが、
この関係性を見せられちゃ、ちょっと太刀打ちできないよね。


なおスピンオフのIFストーリーである恋するメトロノームでは、詩羽先輩がパートナーとして描かれているので、
そちらはそちらで要チェックするといいと思います。


ということで、こういう描き方をしている作品がありましたらどうか僕に教えて下さいね!
もちろんベイビーステップとかは大好きですよ、笑