ゆるりわんわんお

2019年以降は主ににじさんじのおすすめ配信を記録しています。

りゅうおうのおしごと!2 ギャグとシリアスのバランスが素晴らしい傑作


昨年末にようやく1巻を読んだんですが、いまとても新刊を楽しみにしているもののTOP5に入っている作品です。
何がいいって、ギャグとシリアスのバランスがラノベとして素晴らしい出来なことかなと。
極上のエンターテイメントとして出来上がっています。
私は将棋は定跡とか知らないし、業界にも明るくないのですが、
それでもとても楽しめる作品になっております。

「小学生は最高だぜ!」、だからこそのギャグパート

なぜギャグパートが面白く、またはギャグで済んでいるのか。
それは「小学生は最高だぜ!」だからであると。


いや私はどちらかというとロリロリした作品がとても苦手なのですが、
この作品においてはロリだからこそのギャグパートが成立しているのかなと。
ロリロリしていることで、①ラブコメ方面で笑いになる、
②下ネタ系が下品にならないこと、がポイントかなと。


①として、2巻のあいちゃんのヤンデレ化のところがくっそ面白くて、
声を出して笑っていたのですが、これってロリロリだからの効果もあると思うのですよね。
これが八一と同年代だとたぶんこんな笑えなくなって、
どちらかというとラブコメがテーマの作品になってしまう。
ロリロリしているからこそテーマが「りゅうおうのおしごと!」から外れないというわけです。
だいたいがまあ小学生だから、かわいいよね、っていうことで済むんです。
あるいは小学生相手にある程度のこといってもギャグになる。
シャルちゃんへのお嫁さんに迎える発言とか、笑
いや、あれは若干ロリサービスに寄りすぎている気もしますが、個人的にそこまで違和感はなかったのでいいかなと。


②について、これは完全に個人的な趣向の問題でもあるのですが、
白鳥先生の別作品の「のうりん」ってシリアスとギャグのバランスがピーキーすぎて、
個人的には読みづらい印象がありました。
白鳥先生は専業作家?の利点を活かしてとてもよく取材をされる先生です。
そのため非常にシリアスパートの部分がリアルになるんですよ。
ましてや「のうりん」の場合、農業というととてもマクロな面とミクロな面の両方の絡みがほんとリアルなんです。
それゆえにラノベのわりにとても重い話になってしまっているというのが私の感想でして…
で、そのシリアスパートの部分のバランスを補うためにギャグパートが基本的に暴走気味になってしまっているような感じなんですよね。
私的にエロは美しく!なんですが、エロネタ方面とかが単純に下品な出来になってしまっているなぁと…
ベッキーとかやりすぎじゃないかなと思うことがちょいちょいね、笑


それと比べると、SM屋敷とかちょこちょこぶっこんできていますが、
登場人物が小学生だから基本的にそこまで下品にならないのですよね。
こう下品にならないように婉曲的に表現されていると言いますか。
私的にはこっちのほうが好きなわけです。

熱血物語

メインテーマは「りゅうおうのおしごと!」であるので、プロ棋士のお仕事となるわけです。
そのためシリアスパートのほうは必然的にこちらのお話になるわけすよね。
この手のものは「才能」といったものや、プロとして生きていく厳しさをいかにうまく描くか、だと思いますが、
それがまた見事ですよね。
ここに関してはまだうまく言語化できませんが、
白鳥先生がよく取材されいることもあり、とにかく登場人物の「本気」が伝わってくるんですよね。
2巻の個人的にお気に入りなシーンはあいと天衣の対決シーンが終わったあとで、
あいが詰みを逃してしまったことに気づいて涙するシーンです。
あれは自然と泣けてきました。
あー、やっぱ本気なんだなぁって。
あの悔しさが伝わってくるシーンはとてもとても良い。
前半でギャグ盛りだくさんだからこそのギャップがまた一役買っているのかなと。


と、こんな感じで、とても笑えるし、自然と涙が出てきて、熱くなる作品になっているので、
ラノベとしてはとても完成度が高く傑作ではないのかなと思うわけですよ。
2015年は1巻しかでていませんでしたが、来年あたりはこのラノでもっとランキング上がってんじゃないですかね。
あとサッカークラスタとして白鳥先生は応援せざるを得ないのですよ!笑

銀子さんの勝利はあるのか

各地でその不憫さ、幼なじみキャラのテンプレを沿っている銀子さん。
その銀子さんの勝利はあるのか、ということですが、これは結構あるんじゃないのかなーと。
いやなんせ競争相手が小学生だから年代ジャンプでもしないかぎり、ちょっとラブコメ方面は無理じゃないかなと、笑
あとは桂香さんがいますが、たぶんこれはそのうち才能の壁というところで描かれて、
八一とはちょっと厳しいんじゃないかなーという気もします。
「才能」というところを描くときに、同業者とのラブ方面は果たしてどうあるべきなのか、というのは重要なテーマですからね。
これは「妹さえいればいい」の可児に対する伊月のスタンスがそうですよね。
まあちょっとそこを扱うには年齢が少し低い気もするので、どうなんでしょ、というのはありますが。
個人的には報われない属性全開の銀子さんを応援しています!