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はたらく魔王さま! (12) 英雄の救済、っていうかエミリアのデレ

はたらく魔王さま! (12) (電撃文庫)はたらく魔王さま! (12) (電撃文庫)
(2015/02/10)
和ヶ原聡司

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エミリア、ついに陥落する。

ということで、はたらく魔王さま!12巻が発売となりました。

前回よりだいぶエミリアがデレの兆候をみせていましたが、今回ついに陥落したと言っても良いでしょう。

いやー、ラストの食卓をともにする、もじもじしたエミリアなんて新妻そのものじゃないですか!

素敵過ぎます。

まおーさまのセリフとその後のエミリアとのやり取りで、

「勇者と魔王のその後」を扱う物語のテーマのひとつである、「勇者の心は誰が救うのか」、

というのを見事にこの巻で丁寧に描き切っていますよね。

テーマについては、私が大変に参考にさせていただいている下記のペトロニウスさんの記事をを読んでいただければと思います。

2)マクロの命題として、勇者が救った後の人類社会はどうなっているのか?

A)勇者という巨大な権力はだれがコントロールするの?

B)世界を滅ぼせるほどの力を持った(=たづなのない)超兵器である勇者の心はだれがいやすの?

C)ウィン・バードが平民で且つ、通常の意味で強者ではないという部分

物語三昧 

『勇者のお師匠様』 三丘洋 著  勇者が救ったそのあとの世界は具体的にはどうなるのか?という重要な命題を展開しつつあるオリジナルな物語

はたらく魔王さま!で面白いなーと思ったのは、

まずまおーさま自身から、英雄の責務の必要性そのものについての問いかけがあるところですかね。

まおーさまが語っている通り、11巻までで、エンテ・イスラの政情そのものは安定したので、

特別に今すぐまおーさまやエミリアがやる所以がないんですよね。

命題中のA)については地球にいる限り考慮しなくてもよくて、

エミリアの家族も地球にいるので、エンテ・イスラにわざわざいなくてよいわけですよ。

そしてその後でB)の命題についてまで、まおーさま自身が触れるってのは結構斬新かなーと。

物語そのものとしてB)をどう描くか、というものはあると思いますが、

メタ的に登場人物が自覚を持ってそのことについて触れるのって僕の中ではほーってしてしまいました。

もちろんこれまでのエミリアを見ているからこそですが。

そして作中でエミリア自身が言っている通り、

勇者と対等ないし以上の存在はまおーさまだけなので、

救済となるのはまおーさまだけなのですよね。

誰か気付くことはできても、まおーさま以外には真の意味で救済はできないのです。

そしてその救済を求めているタイミングで、まおーさま自身が背景をきちんと理解して気遣ってくれている、

ってわかっちゃったらそりゃもう惚れるしかないでしょう、笑

まおーさまとの関係で一番のネックとなっていた父親自体も無事だったわけですし。

僕の知っているなかの類型の物語、

まおゆうでは、あまりB)に焦点は当てられずもっとマクロ的にダイナミックですし、

勇者様のお師匠様では、最初からレティがウィンにべたぼれっすからね。

そこのB)に至るまでの過程を丁寧に描いたのがはたらく魔王さま!と言えるのではないでしょうか。

何が言いたいのかというとエミリアがかわいいということだ!

今後としては、そこでじゃあ責務放り投げて万事解決、ってなると

今回あたりで日常エンド、となってしまうので、笑、

ライラの目的と、アラス・ラムスをどう扱ってしくのかー、というのが今後の展開ですね。

そこで再び英雄の責務とどう向き合い、どう収束させるのか、

というところが今後のはたらく魔王さま!の見どころでしょうか。

僕はエミリアとくっついて日常エンドを望みますが、笑