四月は君の嘘(9) (月刊マガジンコミックス) (2014/05/16) 新川 直司 商品詳細を見る |
10月よりノイタミナ枠でアニメが始まる、四月は君の嘘、最新刊です。
8巻ではかをりちゃんお姿が公生のトラウマであった母親と重なったところで終わった実にエグい回でした。
そして9巻は、公生はそのかをりに対して、どう接していいのかわからず思い悩むところから始まります。
一方今回のヒロインである凪も、兄である武士が歩みを止めていて、思い悩んでいました。
そして二人は、ワルツを通じて、その二人にメッセージを伝えることとなります。
「またその背中を追いかけさせて」「私のヒーロー」
、と言って二人のヒーローに呼び掛ける演奏のシーンは圧巻の一言でした。
これはピンポンのスマイルと同じですよねー。
すげー読み返したくなってきましたw
さてはて、今回で僕が個人的に好きだったのが、凪の成長ですよねー。
たぶん現実でも子供のころにやってきたものなんて、
始めた動機は兄弟がやっていたからとか、
親に習わされたとか、そういうのがほとんどだと思うんですよね。
自分でこれをやりたい!と思って始めることってほとんどないんじゃないでしょうか。
男の子の通る道はどちらかというとゲーム作りたいとかでしょうし!
で、凪も兄に構ってもらいたくて始めて、たまたま才能があって、
そこそこの練習で、そこそこうまくいってきたわけだと思うんですよ。
最初の動機以外は惰性でピアノを続けてきていたわけですね。
その凪が初めてピアノに真剣に向かって、それゆえにコンクールでもないのに恐怖して、
でもそれを乗り越えて、深淵に向き合う覚悟を決めて、ピアノは多くの人を感動させる!という喜びを知った。
つまり兄以外に初めてピアノをやる動機(人を感動させることが素晴らしい!)ができたわけです。
この、始めた動機は何であれ、「続けていく動機」を自らの意思で決めることがたまらなく好きなんですよねー。
なぜって僕は自分が割と流されやすい性質なので、
逆に周りに言われたからやっている、とかがすごい嫌いなんですよ、笑
親に言われたからやっている、友達が一緒がやっているからやっている、
たまたま才能があったから何となくやっている、などなど。
それって自分の意思じゃねーじゃん!と。
するとね、だいたいスポーツとかにおいてはコーチの言いなりで、
自分で考えることが少ないから、初期値の才能の限界のあとに伸びないんですよね。
その才能の無駄遣いと言いますか、そういう姿を見るのが非常にイラってくるんですよ。
ある種の嫉妬といいますか、もっと真剣に考えて打ち込めば出来るだろ!と。
でも、この凪みたいに、自分の意思でやっていく動機を獲得した人は、
もうぐんぐん伸びていくと思うんですよ。
人に言われるがままに、レッスンとか受けるんじゃなくて、
どうしたらうまくなるのか、どうしたら人を感動させることができるのか。
それを自ら考えてやっていくことができるようになったからです。
だから凪のこの種の成長はとても好き。
今回は、そんな相座凪の「階段を登る」物語でした。
それにしても凪ちゃん絶対公生に惚れるだろ、あれ…
まあただハーレムメーカーの物語じゃないので、
凪が戦線に参入していくことはないとは思いますが、笑
あと余談ですが瀬戸先生の「無い胸を張りなさない」という余計なひと言に吹いてしまいましたよ!
シリアスな場面なのに、笑
しかも中1の女の子に向かってのセリフですからね。
ひどすぎるぜ瀬戸先生。